牛と向き合い肉磨きの技術を守ってきた先人たちの思いを受け継ぎまた継承していきたい。
お肉箱株式会社
千葉 誠
私が商品をお客様に提供する際には、加工をして、焼肉にして、タレやワサビ醤油、塩などで召し上がっていただきます。私たちがどの場面でも気をつけているのは「バランス」です。
例えば、お肉の選別です。一般的には、お肉のランクは刺しがふわってきれいに入っているものが良くなります。でも、それが必ずしもそれだけの要素が「美味しさ」に繋がっているわけではありません。
私が、赤身のお肉を売るときには、刺しの部分はバランスが均等に取れてくるものを見て仕入れるようにしています。
一部の焼肉屋さんでは、お肉が小さいブロックになるまでを業者さんが加工をしてくれていて、それを納品という流れになります。最近では、一枚のバラを一からさばいていける人も少なくなっているのではないかと思います。実際に、焼肉屋さんでもお肉を捌けない人は、たくさんいらっしゃいます。
でも、その技術を持っていたり、継承していったりする必要はあります。それが自分の役割だと思っています。それだけお肉に魅力があるのです。
もちろん新しい要素っていうのは、技術を発展させていくために必要だと思います。でも、今までずっと和牛を守ってきた人たち、先人の人たちがいるわけです。この魅力を知っている私の役割は、古代から受け継がれてくる技術をしっかり守っていくことだと思っています。新しいことだけでなく、古くからある大切なこと、つまり「温故知新」が大切になります。
私は、そこを守りつつ、自分の個性を各所に表現できたら、すごく求めている物に近づいているなと思いながら仕事をしています。